よくある質問
Q.ピクトランは比較的高価ですのでプリントする際に非常に不安があります。
ピクトラン専用のプロファイルはありませんか?
A.特別なプロファイルは必要ありません
このようなプロファイルが欲しいという意見はそうとうあります。
しかし、ピクトランに関しては特別なプロファイルは必要としていません。
なぜなら、今までのプリンターメーカー系の高級紙はピクトランの原点であるピクトリコやエプソンのフィルム、キャノンのプロフォトペーパーこういった紙を基準にしてインクやプリントシステムが設計されています。
これらメーカー系の紙の根本はピクトリコの透明なインク受容層にインクを吸収させるというシステムからなりったっています。
ピクトランはその発展系でさらに高度な透明のインク受容層を持った構成になっています。
残念ですがピクトラン系以外では、そういう流れではないインク受容層もあります。
インク吸収する透明インク受容層に対して、染料インクでも顔料インクでも設計されてきていないメーカーの紙です。
それに対して染料インクや顔料インクにしてもその構成は当時とまったく変わるものではありません。
そのためメーカー系以外やメーカーでも非常にグレードが低い紙に分類される紙は染料や顔料に対して、通常ある種の欠点を持っています。
その欠陥とはインク受容層が完全な透明ではなく、白濁しているということです。
その欠点である透明でないインク受容層の白濁に印刷するために、例えばマゼンタがインク受容層の奥に隠れてしまって出ない、そうすると何をするかというとマゼンタや他のインクも一杯入れなければ色が出てこない。
こうした操作をするためにプロファイルが必要になってきます。
ピクトランはさらにその透明性を高めているため、インクやプリントの設定をし直す必要はまったくありません。
しいて言えば、インク濃度がより濃く出るというような事はあるかもしれませんが、これはプリンターのドライバーでインクの濃度を下げるだけで十分な効果が得られます。
すなわち、プロファイルが必要な紙というのは、白濁したインク受容層を持つ紙(一般的にはカチオン化処理したシリカ系インク受容層を持つ)とかインク受容層がない紙(染料が定着するだけの紙)というのはインクが奥に入ってしまうので、
どんなにインクを入れてもちゃんとした画像を得ることはできません。しかし、それでもそういう紙が良いと言う人ためにインクをどんどん入れるプロファイルを作って対処しているわけです。
メーカー系以外の高級アート紙は紙を厚くする、風合いを少し違った物にするという設計になっていますが基本的にはインク受容層が白濁しているため、
プロファイルが必要になってきます。
しかしピクトランは現在インク受容層の透明性は世界一であり、これは染料顔料に限らず、特に染料においては透明性というのはかなりの効果が得られます。
そういった意味でピクトランのインク受容層にはほとんど欠陥がないのでプロファイルが必要ないのです。。
Q.顔料インクとバライタ紙について
顔料インクの色材というのは分子の大きさが染料インクに比べて大きいので、
用紙の表面に残ってしまうそうですが、その場合インクの溶媒はどうなってしまうのでしょうか?
染料インクの場合は溶媒はバライタ層に逃げて表面に残らないので、透明なコートが生きてにごりが少ないということですが、
顔料インクの場合はどうなりますか?
ピクトランバライタ紙の顔料インクにおける色彩表現の意味合いですが、
染料インクにおける効果とはメカニズムは多少異なりますが同様な効果があります。
理解していただいてるように顔料の場合はコート層表面に残ります。
したがって測定可能な色濃度等は大きく異なりませんが、
測定出来ない透明感・立体感など感覚的な部分には影響があるかもしれません。
しかしこれを数値化することは大手インクジェット用紙販売会社でも不可能です。
Q 顔料の場合はインクがコート層の表面に残るのですが、
バライタ層から反射してくる光を受けて顔料の不透明感を補っているということですよね?
顔料の場合インクが用紙の表面を覆っているのですが、バライタ層まで光が入射しているということなのでしょうか?
顔料の色材のコートは透明なので、インクとインクのわずかな隙間から光が入射してバライタ層に届き、
そのニュートラルな白色を持つバライタ層が光を反射して顔料インクの不透明感を軽減しているのですか?
A インクジェットの顔料インクは不透明といっても、油絵具のような不透明さでもなく、
厚さもかなり薄いものですから光はかなり透過します。
透明なピクトランにプリントしてみるとよくわかります、透明ピクトランに油絵の具で描くと全く光を通しませんが、
顔料インクジェットだと階調性の高いグラデーションを透過光で見ることができます。
大変重要なことですが、顔料インクジェットの開発者やメディアの開発者もこの点はほとんど理解できていないところです。
Q. 一般のコート紙が白顔料と黒顔料の混合によるグレーのグラデーション表現に対して、
ピクトランバライタは白い散乱が少なく、モノクロ本来の明暗のグラデーションで表現できます。 ということですがもう少し詳しく説明してください。
A.油絵の具では白と黒の絵の具の混合でグレーのグラデーションを作ります。
一方、墨絵は黒のグラデーションだけで明暗を表現します。後者のメカニズムを理解して、
プリンターもメディアも設計すると、よりシンプルに完璧なモノクロ表現ができます。
すなわち従来の不透明な白いインク受容層が白絵の具で、顔料インクが黒絵の具になります。
この組み合わせは材質が違いますからリニアーな階調性を得ることは極めてむずかしくなります。
ですから紙とインクにディペンドしたプロファイルが必要だという様な、
より複雑で弊害を生み出す悪い方向に行ってしまっていることをメディア設計者も、プリンター設計者も理解すべきと思いますが、
彼らが論評を仰ぐ高名な写真家はほとんど理解できないのが現状です。
これを変えるには今の政治の世界同様な変革が必要ですが、物の本質に迫ろうという人はかなり少ないのが現状ですが、
そういう方がプリンターのインクやメカニズムを理解してもっらて本物の表現やより完璧なものを求めていくことだと思います。
これはプリンター屋さんでなくてもできると思います。
昔の写真のバライタはバライタ層の上に直接銀塩層があります。
すなわち通常のインクジェットのような白色不透明層(溶媒吸収層)はありませんから、
黒い銀の粒子だけでで黒の階調性を表現しているとピクトランと同じメカニズムと考えると理解しやすいかもしれません。
Q. 表面の面質です。 これはアルミナのコート層に凹凸があって、自然に半光沢紙のような仕上がりになったということでしょうか?
それとも、意図してこのような仕上がりになったのでしょうか
A. 表面のテクスチャーにつてですが、画像にとって完璧な構造は、
クリスタルやメタルのような光沢率写像性の高いものになります、しかし写真やアートではマットのようなものもまで求められます。
これは逆に画像低下要因の一つである表面の光散乱によるものです。したがって画像のクオリティーは下がります。
ピクトランバライタや局紙のニーズが、アート性が高く、高画質を狙っているものですからあのような表面性状となりした。
面質の方向性は、画像の面と生産技術的な面から出来上がっているものです。決して最初から設計できるものではありません。
ピクトランクリスタルやメタルは従来にない新しい写真の世界、完璧な世界を追及しているものです。
メディアの面性状や、インク受容層の透明性吸収性は画像にきわめて大きな影響や、
微細でも重要に人間の感性に影響を与えます。
たとえばフルートの材質が安い20万円前後の洋白製から1000万する純金製までありますが
音色の違いはたった最高3%と言われています。しかし新しい感性に対応するためには必要なのです。
Q .顔料インクで出力してガラス面の額縁に装飾した場合、耐用年数といいますか目に見えて色の劣化が始まるのは、 どれくらいの時間でしょうか?
A.御懸念の耐色性について、局紙は蛍光増白剤等を全く使用していませんから、
紙色である生なり色の変化は全くありません。また、紙色およびコート剤の変化がありませんから
紙およびコート剤が色剤(顔料)に与える化学的光学的影響は考えられません。
作品としての耐用年数の御懸念は全くないと考えています。
Q .製品の中でセピア写真にお勧めの製品はありますか?モノクロはどうでしょうか?
A .製品において、 モノクロ、カラー、セピア等および染料、顔料の区別をしていません。
なぜなら高透明、インク受容層を有する媒体はそれぞれのインクに対し最高のパフォーマンスで表現します。
黒インクも他の色となんら変わりないからです。
ある種の媒体にモノクロ専用という考え方をしているのは偽装と考えたほうが良いと思います。
カラーで使用したときにその欠点が強調されるからだからです。当社製品は、でどの媒体でもモノクロ適性がありますが、
表面性状によって黒の濃度に違いがあります。
紙媒体で、もっとも黒濃度が高くダイナミックレンジが広いのはピクトランバライタです。
Q.推奨プリンターについて
EPSON のPX-G5300(顔料)を使用しています。
どこかのHPで局紙は腰が強くてローラーでは使えない、とありましたがホントはどうなのでしょうか?
A.5300は使ったことありませんが、局紙でも通紙できないことはないと思います。
ピクトランバライタは問題なく通紙すると思います。
Q.ピクトランバライタに関してですが、紙をもう少し白くすることは可能ですか?
A.ピクトランは蛍光増白剤を一切使わないと言う方針があります。
蛍光増白剤は徐々に劣化し、最終的に黒っぽく変色するものです。
大事な作品をそういうものに印字してはいけないという基本方針があります。
そのためピクトランは蛍光増白剤を使わずに紙を白く反射させるために硫酸バリウム(バライタ層)が必要になってきます。
硫酸バリウムは非常に透明な結晶なので濁りがありません。そのバライタ層を生かすためにその上層にピクトランの透明インク受容層が必要になってきます。
染料及び顔料をその受容層で保持して、バライタ層でその光を反射させ印字されてない部分は太陽やライトの光をそののまま反射するのに大きな効果があります。
そしてその硫酸バリウム層は将来大きな問題になるインク中の不揮発性溶媒ジエチレングリコールをバライタ層を通して排除させる必要があります。
そういった意味のあるものとしてバライタを設計しています。
しかし、透明な硫酸バリウムさらにを白くするという効果に関してはピクトランが限界です。ですからどうしても生成のパルプの色が表面に出てくるために白色度は太陽や蛍光灯の光で見ると他の紙に対して生成に見えてしまいます。
ただし写真用のライトや展示用のライトで見た時には蛍光増白剤を入れたものとまったく大差ありません。
Q.ピクトランの局紙やバライタ等はISO9706のアーカイバル規格(通常の展示状態で100年以上の耐久性)で生産されたものですか?
A. ISO9706の規格で生産されているかという点についてはピクトランはISO9706のアーカイバル規格で生産したものではありません。
ピクトランがその規格に入るかという点については、調査が必要です。
しかし、ピクトランのコンセプトは出来上がった作品というのは人それぞれ大切なものですから、最も安全であり、最大限の耐久性、耐候性でなければならないという観点で作られています。昔からの優れた美術品が規格でできたものではないことと同じ考えかただと思います。
ピクトランの基材の局紙(鳥の子)は昔からお札や証券、賞状等に使われている紙であり、これ以上に安定していて基本性能の高い紙はありません。
また、コートしている材料はアルミナ酸化物であり永遠不変の透明性、白色剤が、蛍光増白剤ではなく、硫酸バリウムという永遠不変の鉱物で出来ているので規格に准じて生産されたものではないですが、性能、耐久性共に問題はありません。
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