開発者インタビュー
簾田勝俊経歴 | ||||||||||||||||||||||
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透明なコート層について説明する簾田勝俊 |
簾田勝俊ピクトランを語る
基本コンセプトについて
最高の画像を出すためのコート層を開発した。
ピクトランは作品としての基材を重要視し、作品に合った紙を提供している。
重要なのは、全ての意味において最高の画質品質の実現である。現状、ピクトランは達成できている。
コート層について
最高の画質とは全ての阻害因子の排除、
たとえば写真そのものにある霧や埃は良い光とタイミングを選べば排除できるし、フォトショップでトーンカーブを弄る事でも排除できる。だが、一番排除しなければいけないのは、インクを打つときの(紙のもつ)問題である。
音楽で言うとスピーカーとなるのがピクトランだ。現在一般に発売されている写真用紙には問題が多い。
例えばインク上層(コート層)である。完全な透明の中に染料が一個一個入ったときに
完璧に色が見えるという事がなかなか理解されていない。
ピクトランは完璧なインク上層の中に染料を正確に入れる事により最高の表現能力を達成している。
染料でもって最高に色は出る。顔料ではインクによる再現性は何分の一かに減衰してしまう。
ピクトランは染料でプリントする紙で一番の色の範囲 濃度 階調性を持っている。
これを達成するためには完全に透明なコート層でなければいけない。
基材について
媒体する増感性
現状は出来ている、阻害因子の多いメディア・・・メディアとは直接人の感性に訴えるものだ。
作品によってメディアを選ぶ必要がある 何もかも光沢紙ではダメだ。絵画的にみせたいものもあるだろう。
様々な媒体に透明なコート層を載せていく事で、ピクトランはあらゆる表現を可能にする。
また、蛍光増白剤も入れる事は無い。蛍光増白剤を入れた白が最も綺麗な白だとは思わないからだ。
完全な紙を目指して。
ピクトランは写象性を大切にしている。綺麗で透明な摩周湖を思い浮かべて欲しい。
例えばその中の石や魚を見たいとき、僅かなさざ波や濁りがあれば見る事は出来ない。
しかしピクトランは完全に透明である。 他社に比べて透明度が遙かに高い。
写像性を求めるため、最高の媒体がメタルとクリスタルだ。デジタルデータを表現するために開発した。
現在(5月12日)ルーブル展が開催されているがその中にフェルメールの作品がある。
写真も絵画も同じだ。フェルメールもレンズを覗いて背景をボカすなどの表現を行った。
作品には光が大事である。光を表現するためには階調性が豊かでなければ、再現する事はできない。
コート層が波打ってても駄目だ。平滑性が低ければ写像性が得られない。
また、他社製品のようにレジンコートされた紙(RCペーパー)も駄目だ。インク溶媒が紙に逃げないため染料の色が濁ってしまう。
今後のピクトランについて。
ピクトラン局紙の手漉きがある。これは見せ方の話になるが、
楽譜や作品によっては紙に耳があった方が展示して趣がある。味わいがある紙だ。
私はフルートを嗜むのだが、この手漉きの楽譜を今度パリにもって行き、演奏するつもりだ。
また、ピクトランは絶対的に透明なので金箔や銀箔、布にコート層を塗ることも出来る。
風合いを壊さない為どんな基材でも可能だ。
最近はシールもつくってる。フィルムをベースにヘアライン、メタル、マットのシールである。
耐光性も耐水性も十分で、私も自分のトランクに貼っている。強く擦ったところで全く平気だ。これからホログラムでもやりたい。
染料は顔料に比べ、構造上耐光性耐水性が低かった。これも新技術を開発中だ。
表面加工したピクトランへプリントした後、ラミネーターにて加熱すると撥水性となる仕組みだ。
局紙表面の質感はやや顔料的になるが、当然色の範囲は顔料よりずっと広い。
透明なインク上層の上に透明な樹脂が塗ってあり、プリント後加熱することで樹脂が溶けて膜が出来る。
染料で耐光性を求める人に向けての新製品だ。これは近いうちに発売となるだろう。
勿論、加熱しなくても完全に透明なため、塗布された樹脂によって白っぽく見えることもない。
ピクトランについての情報は、今後もこのウェブサイトやブログで発信していくので、期待してほしい。
2009年5月12日